カテゴリー
カミキリ類

ルリボシカミキリの巻

ことの始まりはカラスと会話していたp女史でした。
カラスが「カァ、カァ、カァ」と鳴いたら、それに対して女史も「カァ、カァ、カァ」と続けるのである。それを繰り返していたら最後にはカラスの方が呆れてか、飛び去ったと言うのである。それを目で追っていたら飛んで行った方向にある樹に青いものが!

慌てて女史がその樹のもとへと駆けつけてみたら、そこにルリボシカミキリがいたと言うのだ。

ところで私がその騒ぎに気付いたのは女史が走り出した時のことでした。最初は意味がわからなかったのですがルリボシが目に入った瞬間に合点がいったという次第でした。

「嗚呼。。何年振りだろう?」

以前にこのカミキリを見たのは埼玉県の秩父で恐らく10年以上は経っていました。でも何度見ても、このカミキリの美しさは他に例えようもないほどで、まさにカミキリ界の女王としての輝きを持っていたのでした。女史の方は「全てはカラスのお陰ね。。」と言っていたのが可笑しかったものです。

7月17日撮影

その後、最初にルリボシを見つけた同じ樹には決まって、この種がいて交尾も見られました。
つい、少し前まで交尾まで見られるなんて思いもしませんでしたから最初にこの種を見かけた時と同じように何枚も何枚も撮ったものでした。

7月30日撮影

ところが久々にルリボシを見ることが出来て喜んだものの、その後は山へ行く毎に、この種を見る事になって、それは一ヶ月以上に及んだのでした。
当初は撮りまくっていたものの段々と撮るのに飽きて来て「せっかくだから撮るか。。」とシャッターを2~3回押しておしまいとなってしまったのでした。

8月15日撮影
同上

でもあの青色はいつまで経っても忘れることが出来ないでしょう。
その辺りを、かの福岡伸一博士は次のように述べられています。(注)「   」内引用

「もっともあこがれた青は、空の青さでもなく、海の青さでもなかった。フェルメール・ブルーでもない。それはルリボシカミキリの青だった。ビロードのような輝きをたたえた深い青。それは塗られた青ではなく、金属のように内部から放たれる青。こんな青はフェルメールだって作りだすことができない。その青の上に、くっきりとした漆黒の斑紋が散っている。長く優美に伸びる触角。そこにも青と黒が交互におかれている。あきるほど図鑑で眺め、ずっと恋い焦がれた。一度でいいから実物がみたい。何日も、何シーズンも野山をさまよった。しかしこの小さなカミキリムシを採集することはできなかった。」

(注)ルリボシカミキリの青 福岡伸一著 文藝春秋 2012年発行
カテゴリー
カミキリ類

美しいオオアオカミキリ

オオハナウドの花にカミキリが来ている。しかも2頭。。
けれどそのオオハナウドは背丈が2m以上あって、それを下から見るとカミキリがいるのはわかるのだが黒っぽくしか見えず何カミキリかはさっぱりわからない。

それで意を決して、そのオオハナウドをゆっくりと傾けて見ることにしたのだ。と言っても径が5cmくらいあって傾けられるかどうかわからない。こんな時は補虫網があれば良いのだが手元には小さなデジカメしかない。でも他には手立てがないので、そのシシウドを手前に引っ張ってみた。

すると思い通りに倒れてきて30cmくらい下がったところでカミキリが落ちてきたのだ。その内の1頭は落ちた場所でじっと動かなかったので撮らせてもらった。見ると大型で見事な緑色をしたカミキリであった。お盆の日のことである。

背の高いオオハナウド

もう1頭の方は落ちてすぐに飛び去りそうな気配であったので、すぐに手で捕まえて持ち帰ることにした。同じ種のようであったが、カミキリが落ち着いてから撮ろうと言うわけである。それで帰ってからすぐに飼育ビンに入れたのだ。

ところが翌日になっても一向に落ち着かない。ビンの中でシャカシャカと動いている。余り長く入れておくと弱ってしまうかもしれないのでリリースすることにした。

雨の日であったが蓋を開けた途端に翅を広げてブ~ンと飛んで行った。