とある建物に何者かの蛹がぶら下がっていました。それも1頭ではなくて何頭も。。それに気付いたのは女史の方でした。
「なんかの蛹がいっぱい、あるよ」と女史
「待って、今、行くから。。どれ? あっ、本当だ」とワシ
「ほら、こっちにも。。」と女史
「う~ん、時期といい、大きさも色も、これ全部キベリかもしれないよ」とワシ
「今まで気付かなかったの? 何度もここに一人で来てるじゃない」と女史
それには答えず「全部、キベリだといいな」とワシ
8月6日のことで辺りにはシラカバが沢山生えていて又ヤナギもありました。
もし本当にキベリの蛹だとすれば、それは本州で見たヒオドシの人工物にぶら下がっている光景とそっくりだったのです。それで半信半疑ながらも興奮しながらの撮影でした。撮影後にその内の幾つかの蛹は持ち帰りました。何が羽化ってくるのかを確かめたかったのと寄生されている恐れがあるからでした。
それから2日後、蛹は無事に羽化し始めました。やはり想像通りにキベリでした。
この辺で見られるチョウの中でもキベリの蛹群が見られるとは思いもしませんでした。個体数の割りには食樹が多すぎるからで、又高いところに卵が産み付けられていては、それを見るなんて手も足も出ません。
従い余程、運が良くないと幼虫や蛹などを見ることは出来ないだろうと考えていました。
でも、こうして蛹群を見ることが出来たのは全くもって女史のお陰です。