このチョウは子供の頃の記憶では探さなくても沢山いるチョウで、庭にもよく飛んできてマーガレットなんかで吸蜜をしていたものでした。
けれども今では個体数が減っているのか、マーガレットが咲く時期となっても、一向に見かけることがありませんでした。
でもそれにしてはおかしなことがありました。実は幼虫は沢山見かけていたのです。山を徘徊しているとハルニレから降りてきた、または落ちてしまった終齢幼虫が地面や倒木の上を歩き回っていたのです。
「これは蛹化の為か?」を確かめるべく何頭かを持ち帰って飼ってみました。
すると、よく摂食する個体とすぐに蛹化する個体がいたのですが残念ながら全て寄生されていました。
やがてマーガレットの時期も終わり、クサフジやヨツバヒヨドリが咲く頃になると、あちこちでこのチョウの姿が見られるようになりました。
それは子供の頃と全く変わらない光景だったのでした。
子供の頃には、このチョウがゼフの仲間で無いってことが理解出来ませんでした。
特に翅裏の模様なんかゼフそのものだったからです。
「じゃあ今は?」と問われると「ゼフで無いとしても、むしろその方がが良いくらいだ」と感じています。