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タテハチョウ科

キベリタテハが羽化った!

とある建物に何者かの蛹がぶら下がっていました。それも1頭ではなくて何頭も。。それに気付いたのは女史の方でした。

「なんかの蛹がいっぱい、あるよ」と女史
「待って、今、行くから。。どれ? あっ、本当だ」とワシ
「ほら、こっちにも。。」と女史
「う~ん、時期といい、大きさも色も、これ全部キベリかもしれないよ」とワシ
「今まで気付かなかったの? 何度もここに一人で来てるじゃない」と女史
それには答えず「全部、キベリだといいな」とワシ

たわわにぶら下がっていた蛹群

8月6日のことで辺りにはシラカバが沢山生えていて又ヤナギもありました。
もし本当にキベリの蛹だとすれば、それは本州で見たヒオドシの人工物にぶら下がっている光景とそっくりだったのです。それで半信半疑ながらも興奮しながらの撮影でした。撮影後にその内の幾つかの蛹は持ち帰りました。何が羽化ってくるのかを確かめたかったのと寄生されている恐れがあるからでした。

それから2日後、蛹は無事に羽化し始めました。やはり想像通りにキベリでした。

羽化液はヒオドシチョウと同様に赤い
8月8日 無事に羽化し終えた個体。

この辺で見られるチョウの中でもキベリの蛹群が見られるとは思いもしませんでした。個体数の割りには食樹が多すぎるからで、又高いところに卵が産み付けられていては、それを見るなんて手も足も出ません。
従い余程、運が良くないと幼虫や蛹などを見ることは出来ないだろうと考えていました。
でも、こうして蛹群を見ることが出来たのは全くもって女史のお陰です。

リリースした個体
数日後に付近で見かけた個体
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蛾類

モモブトスカシバの怪

このガは珍しいのだと私は思い込んでいました。
と言うのは今までに栃木で一度だけしか見たことがなかったからです。
ところが近所の山では沢山の個体が昼間から飛び交っているのが見られました。昼間からと言うのはこの種がもともと昼行性だからなんですが、それにしても沢山の本種が飛び回り吸蜜などを行なっていました。

ところが撮影中に気付いたのですが、何か変なんです。
何が変かと言えばどうも2種が混ざっているような感じなんです。先ずサイズが違っていること。そのサイズが大きいのと小さいのがいて当初は♂♀の違いだろうと思っていたのですが交尾カップルを見てみると、いずれも小さい方同士だったのです。もう一つは色合いです。大きい方は白っぽく見えるのに対して、小さい方は黒っぽいのです。
どう言うことなんだろう?

7月中旬撮影 大きい方の個体
撮影日:同上 小さいもの同士のカップル。
上の2枚の写真では違いが余り良くわからないでしょうが大きさが違うのです。

さてモモブトスカシバの食草はアマチャヅルです。
余り聞いたことがない植物ですが図鑑で調べると「う~む、これがそうなら沢山生えているどころか、アマチャヅルだらけだ」と思わせたのでした。

7月中旬 アマチャヅル
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セセリチョウ科 蝶の不思議

キバネセセリの不思議

6月中旬のことです。
近くの山にはそれこそ夥しい数の何かの幼虫がいました。
一見したところセセリの幼虫に似ているのですが「キバネセセリにしては数が多過ぎるな?」と私は未だ半信半疑でした。
ところがp女史の方は何かの確信があったようで「これ全部、キバネセセリよ、顔つきがセセリじゃん」と言って譲りません。でもその何かの幼虫がキバネセセリだとした場合に食樹であるハリギリにいたわけではありません。そこら辺を、地面の上とか建物の壁や柱とか、その辺に生えている草の上とかを歩き回っていたのです。

近くに大きなハリギリの樹がありましたから「これ全部があそこから落ちてきたって考えるのは無理があるんじゃないかな?」と私は未だ半信半疑のままでした。

ところが後になって「あれは全部、キバネセセリだったんだ!」と考え直させるハメになったのでした。それはその内の2頭を持ち帰って飼育してみたからで、立派なキバネセセリが羽化してきたのでした。

キバネセセリの幼虫。女史がキバネセセリだと確信した理由はその顔つきがセセリそのものだったからでした。

全部キバネセセリだとしたら何故あんなに樹の下を徘徊していたのでしょう?
蛹化の為ばかりでは決してありません。何故なら中には若齢幼虫もいたし、それに持ち帰った幼虫も飼育ビンの中でモリモリと餌を食べたからです。

若齢幼虫

幼虫を観察中には驚くべきことが発生しました。
それは徘徊中のキバネセセリの幼虫に対して何かのガ?の幼虫が襲いかかって食べ始めたのです。
「えっ?」と思う間もなくキバネセセリの幼虫は段々と身体がしぼんでゆきました。

何かの幼虫に襲われるキバネセセリの幼虫

やがて蛹化時期となり、それぞれの幼虫は三々五々に蛹となり又羽化し始めました。

ところで不思議なこととは一体何かと言えば、それはこのチョウの黄昏飛翔のことです。毎夕、午後5時頃から暗くなるまで、このチョウが飛び交っていることです。
家の玄関先に立って見ていると、1分間の間に必ずと言っていいほど1~2頭が特に決まった方向へという訳ではなく飛び去っていくのです。それが暗くなるまで続く。これは一体何の為か? 
そこで図鑑で調べてみると「北西にある藻岩山から上空を移動する個体を多数見た」(注)との記載はあったものの、その目的までは言及していませんでした。女史に言わせれば「街へ行くのよ、賑やかだから。。今は街中で見かける方が多いくらい」とのこと。果たして真相は?

(注)完本 北海道蝶類図鑑 永盛俊行他著 2016年 北海道大学出版会

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タテハチョウ科

エルタテハの巻

ブログを再開することにしました。
この間、紆余曲折はあったものの今は北海道在住です。
そしてp女史も一緒です。従い、文章の方は主として私が、写真の方は主としてp女史が担っています。相変わらずチョウが中心ですが、都度見かけたカミキリや、p女史がスマホにアップしていたガやカメムシなども取り上げていこうかと考えています。それでは、どうぞ宜しくお願い致します。

女史と家の付近を散歩していた時のことです。橋の欄干をひょこひょこ歩いている何かの幼虫が目にとまりました。見てすぐに「あっ、これはタテハの幼虫だ!」とわかりました。図鑑で何となく見た覚えがあったからでした。
近くを見てみるとハルニレの樹。それでてっきりシータテハの幼虫かと思い、捕獲して飼うことにしました。今までに見たことがなかったからです。
帰って調べてみるとシータテハではなくてエルタテハの幼虫でした。それまでエルタテハはシラカバやウダイカンバなどのカバノキ科を食っているものだと思っていたのですが、それに加えてハルニレも食っていたのでした。

その後、幼虫は飼育ビンに大量の糞をしてからフタの部分で蛹となり、やがて羽化しました。

エルタテハの蛹
6月22日
6月29日

その後、盛夏となりましたが一緒に沢山飛び交っていたヒオドシチョウは目に付きません。
しかしエルタテハを始めシータテハやクジャクチョウの方は元気そうでした。

エルタテハ
エルタテハ